2018-09-04から1日間の記事一覧

【短編小説】『ある島の不可能性』第3話

十五 しばらく進むと道の脇に一軒の小屋があった。その小屋の色や形は空港にあった小屋と全く同じだった。薄汚れた木造の小屋、その錆びた鉄製のドアを開けると、中には一人の男がいた。男は色あせたチェックのシャツに色あせたブルーのデニムという装いで、…

【短編小説】『神』

神 彼は小さなアクリルケースの中に一匹の虫を飼っていた。何もないアクリルケースの中をあてどなく彷徨うその虫を見て、彼は自分がまるで一つの生命の運命を支配する全能の神になったかのように感じるのであった。ある時、彼はその虫を人差し指で潰して殺し…