エッセイ

【エッセイ】どのような詩を作るべきか

何回でも読めて 人生の傍に置いておくことのできる 詩 一回読んで楽しかったという小説ではだめだ。 一回見て楽しかったという映画もだめ。 どんなに短くても なんとなく傍に置いておきたくなるような詩を 作るべき。

男は歳を取ったら

男は歳を取ったら、女の話と、お笑いの話と、政治の話と、仕事の話はなるべくしない方がいい。キモいから。 じゃあ何を話すの???

【エッセイ】ひと目見るだけではそのよさがわからない表現の形式としての小説

芸術の中でも、絵はひと目見ればそのよさがわかる。もちろんよく見ればもっとわかる。 視覚的な表現は、そのよさを見る人にわからせるためのハードルが低い。 たいして、小説などの文章表現は、ひと目見ただけではただのなんらかの記号の集合でしかない。ひ…

【エッセイ】創作もまた特定の機能を持った商品としてみなされる

特定の機能を持ったただの商品としてみなされるのは、 ものの売り買いをするビジネスにおいてだけではない。 ほんらい精神を表す創作においても、同様である。 たとえば、村上春樹は村上春樹的な機能を持った商品としてみなされている。 表現すること自体は…

【エッセイ】物質として取り扱われる人間存在

精神は軽視され、精神は衰退している。 いまや人びとは代替可能な 身体=機能=道具=資本=人材=材料 とみなされる。 金=利益 あるいは 快楽を 効果として発生させるための道具=商品 としてふるまうことを強制される。 代替可能であること によって 存在…

【エッセイ】生涯と創作の表出について

詩人のジャコモ・レオパルディは38歳でこの世を去った。 作家の夏目漱石は49歳でこの世を去った。 哲学者のスピノザは44歳でこの世を去った。 人間に対する深い洞察を書いたこれらの人々は意外と早世である。 (もちろん長寿もいる。ゲーテは82歳、…

【エッセイ】ヴァレリーの『カイエ』

ヴァレリーは早朝まだ暗いうちから起き、朝にかけて日記のような思考を書きつけた。 それが後世あらゆる他の作家に引用されることとなる『カイエ』である。 モンテーニュやパスカルにもそのようなテクストがある。いわゆる『エセー』や『パンセ』である。 そ…

【エッセイ】無名の作家が必ず思うこと

文章を書いてSNSなどにアップしても(とくに知人から)なんの反応もない。逆に親しい人ほど完全に無視だ。お前の書くものなど読む価値もないという無言のメッセージ。 彼らはそもそもプロの作家が書いたものさえ読まないのだから私の書いたものなどさらに読ま…

【エッセイ】夜

夜は暗く、深い。心の奥底の 不安や、欲望が意識の上にあ らわれてくる。抽象的な亡霊 が部屋の中を浮遊する。生き ることの意味…問いかけるこ と自体に意味があり、何の答 えもない「?」。いま、どこ にいるのだろう、この、何か は。そして、次の瞬間には…

【エッセイ】ある本について語ることについて

素敵な本について書かれた説明文は、説明文という形式のために素敵な本の素晴らしさを伝えることに成功しない。 構造や背景を分析することでその本の素敵さが伝わるわけではない。それよりもむしろ、素敵な本のフォロワーとして、「ささやかな挿話」を捧げる…

【エッセイ】書くべきことについて

書くべきことがなくて書け ない、と思う時がある。と いうより、いつもそんな感 じがする。白紙を前にぼん やりして時間が過ぎる。そ して、結局何も書かないま まになる。 しかし実際は、書くべきこ とというのは、何でもいい からとにかく書いている途 中…