【エッセイ】物質として取り扱われる人間存在

精神は軽視され、精神は衰退している。

 

いまや人びとは代替可能な

身体=機能=道具=資本=人材=材料

とみなされる。

 

金=利益

あるいは

快楽を

効果として発生させるための道具=商品

としてふるまうことを強制される。

 

代替可能であること

によって

存在そのものは軽視される。

 

存在が軽視されると人は精神が不調となる。

 

その場合、精神治療や

コミュニケーション術

などの処置が施され、

効率的なツールとして役に立つ状態へと

修正される。

 

だが、ほんらいの精神は

棄損されたままである。

 

だから、価値という基準で

人のおこないをとらえることもまた

存在に対する軽視である。

 

存在にとって、

価値や機能は本質的ではない。