【エッセイ】夜

 

 

 

夜は暗く、深い。心の奥底の

不安や、欲望が意識の上にあ

らわれてくる。抽象的な亡霊

が部屋の中を浮遊する。生き

ることの意味…問いかけるこ

と自体に意味があり、何の答

えもない「?」。いま、どこ

にいるのだろう、この、何か

は。そして、次の瞬間にはす

べてを忘れる。いや、忘れる

わけではない、無意識の底に

沈む。不安や、欲望は姿をひ

そめる。それだからといって

、どうということもない。ま

た、朝が来る。