Frequently Asked Questions

よくあるご質問

出家についてーー科学的にみたばあいの他人の幸福と自分の幸福

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友人が出家したことがある。彼は職場の休憩室でいつも仏教関係の書籍を読んでいた。私はフランス哲学をよく読んでいたので、互いの得た知見などを話し合ったりしていた。

 

Facebookで彼が出家すると知ったとき、たんじゅんにすごいと思った。出家するというのはけっこうな覚悟がいる行為だ。出家するとふつうの交友関係ができなくなるし、一つの観点からものごとを眺めなくてはならない。

 

思うに、出家するというのは、自らが悩みや苦しみから救われるためにするものではなく、世の中の悩みや苦しみを救うためにするものだ。信心による心の救済は確実にあるし、そのためのメソッドは独学ではなかなか得られない。

 

清水富美加が出家すると話題になっているが、そもそも芸能人は出家と相性がいい。芸能人が芸能人をやる動機は、たくさんの人を元気にするということとたくさんの金を稼ぐということだ。そしてそのふたつの動機は出家によっても満たされる。

 

役に合わせて様々な演技をしなければならない芸能人と違って、出家のばあいはひとつの役割を演じるだけでいいという利点さえある。(ある種の宗教では様々な役を演じる者もいるようだがそれは例外としよう)芸能人は実力主義で淘汰されていくが、出家には実力に関わらず信仰体系を受け入れる条件付きだがつねにセーフティーネットがある。

 

出家と聞くとやれ洗脳だなんだといちゃもんをつける人がたくさんいるが、それはご本人の人生の選択であり、他人がとやかくいう領域ではない。私の友人のばあいは、洗脳だなんだと一瞬も思わなかったし、むしろかれの興味関心の方向性からみてまったく妥当だと思ったものだ。

 

他人が期待する自分と、自分がそうありたい自分というものは、おうおうにしてすれ違うものだ。それが一致するとき、本人も他人も科学的にいって幸福でありうる。科学とは誰が検証しても成立しうる法則のことだ。誰が検証しても成立するものは、すぐれた特技を持った人がわざわざする必要もない。というかそもそも誰が検証しても成立する幸福の真理などといったものを想定する時点で幸福について何もわかってない。

 

私の友人のばあいは、かれの特技と仏道が一体となってよりすぐれたものを生み出し本人にも他人にも幸福をもたらすと思えた。清水富美加のばあいは、はたしてどうだろうか。その出家によって、本人も他人もより幸福でありうるだろうか。いずれにせよ、ご本人、また周囲の人々の幸福を願うばかりである。

 

「ひとが迷信に心を動かされるのは、恐れの続いている間に限られる」スピノザ著 吉田量彦訳『神学・政治論(上)』p32

  

 

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