Frequently Asked Questions

よくあるご質問

ジャン・ラクロワ『カント哲学』──目の前の道具を使って、何を作るのか

f:id:rose_ex:20170221231654j:image

 

 

カントほど概念という道具の利用

に長けた哲学者はなかなかいない

。感性、悟性、理性、現象と物自        *職人に

体、ア・プリオリとア・ポステリ        はつねに

オリ、超越論的、定言命法…。カ        使い慣れ

ントはまるでパン職人がパンをこ        た秀逸な

ねるように熟練の手つきで概念を        道具立て

操作する。                                            がある。

 

→カントは自分のルールを作り、

それをもとに哲学体系を構築した

。それが哲学の方法だというわけ

だ。それはつまり、唯一の真実と

いう正解があるわけではなく、各

々のルールの説得力や有効性がも

のをいうという考え方である。

 

ヒュームが破壊した形而上学は、

カントによって修復された。どう

やって作るかは解明できなくても        *問題は

、とにかくパン職人はおいしいパ        目の前の

ンを作る。そして、私たちはそれ        道具を使

をおいしく食べる。いつまでも小        って何を

麦の存在を疑っていたところで、        作るかで

おいしいパンを作ることはできな        ある。

い。

 

→ヒュームは実際には形而上学

破壊したのではなく、形而上学

信用性の薄さに躓いたのである。

カントは実際には形而上学を修復

したのではなく、たんに形而上学

の信用性の薄さを受け入れるが、

だからと言って価値がないわけで

はないと開き直ったということ。

その開き直り方が、尋常ではない

のである。

 

 

カント哲学 (文庫クセジュ (499))

カント哲学 (文庫クセジュ (499))